レポート

第23回ナショナル・トラスト全国大会 in いいだ [報告]

テーマ:持続可能な地域、支援する仕組みとは

-いろりの里で考える税制と法制度-

当日は、ナショナル・トラスト運動に取り組んでいる人々、市民、研究者、行政の関係者が、
「持続可能な地域、支援する仕組みつくり」を目指し、南信州の飯田と「いろりの里、生活原
体験の場」大平宿で一堂に会し討議しました。

日 時 2005年10月8日(土),9日(日)
主会場 飯田市公民館 長野県飯田市吾妻町139番地
いろりの里 大平宿
主 催 第23回ナショナル・トラスト全国大会実行委員会 in いいだ
構成団体/社団法人 日本ナショナル・トラスト協会+大平宿をのこす会
後 援 環境省 文部科学省 国土交通省中部地方整備局 長野県 飯田市 長野県教育委員会 飯田市教育委員会
駐日英国大使館 信濃毎日新聞社 朝日新聞社 中日新聞社 毎日新聞長野支局 産経新聞社長野支局 
南信州新聞社 信州日報株式会社 長野日報社 NHK長野放送局 SBC信越放送 NBS長野放送 
ABN長野朝日放送 飯田ケーブルテレビI ステーション飯田エフエム
協 賛 株式会社竹中工務店 大成建設株式会社 株式会社日本色材工業研究所 アムウェイ・ネイチャーセンター 
株式会社神戸製鋼所 有限会社ヨガワークス



大会 第1日  10月8日 土曜日

開会式 会場:飯田市公民館ホール

10:00 開会
主催者挨拶
持続可能な地域づくりに貢献したい。
第23回ナショナル・トラスト全国大会実行委員長
社団法人日本ナショナル・トラスト協会会長 愛知 和男
  南信州 飯田の大平宿へようこそ
第23回ナショナル・トラスト全国大会実行副委員長
大平宿をのこす会代表
井坪 修
開催市代表
地域経済の活性化と環境・文化の共存を目指して
開催市代表 飯田市長 牧野 光朗
来賓祝辞
黒田 大三郎 環境省大臣官房審議官
太田 寛 長野県生活環境部部長

団体報告

10:45 大平宿をのこす会 初代会長 勝野 順
  財団法人 妻籠を愛する会 理事長 小笠原 宏
信州・箕澤屋の会 事務局長 柴 登巳夫
11:30 昼食休憩

基調講演

13:00 「英国ナショナル・トラストの活動について」
ピーター・ニクソン Peter Nixon
英国ナショナル・トラスト保全部長 Director of Conservation
英国におけるナショナル・トラストの歴史についての説明にはじまり、ナショナル・
トラストの最近のプロジェクトについて紹介するとともに、建造物としての遺産と
自然遺産の将来を左右する議論において、ナショナル・トラストの100年の経験を
どのように利用できるかなどといった、現在、直面している挑戦や取り組みについて
の考えを、パワーポイントを使いながらの講演でした。
14:30 終了
15:00 大平宿へ移動
参加者一行はバス4台を連ね、小糠雨がそぼ降る曲がりくねった山道を大平宿目指し
ました。スギヒノキの林を抜け、突如視界が開いたところで忽然と宿場町が現れました。
バスから降り各人、今宵泊まる宿に荷物を置き、竹宵の灯に導かれトークセッション
の会場である「紙屋」に集いました。既にいろりに薪がくべられ赤々と燃えていました。


■トークセッション 会場:大平宿 「紙屋」

16:00 「伊那谷の歴史や文化や自然を残そう受け継ごう」
座長 羽場崎清人 大平宿をのこす会事務局長
事例発表
  1.伊那谷自然友の会 -伊那谷は博物館-
2.市民団体・天竜川ゆめ会議 -諏訪湖から太平洋-
3.大平の自然と文化を守る会 -いろりの里大平宿はタネ池-
4.社団法人 日本ウォーキング協会 -歩く駅 いいだ 街道の交差点-
5.南アルプスを語る会 -アルプス縦走報告 情報基地-
伊那谷をフィールドにしている各団体から、日頃の活動についての発表がありました。
コメンテイターからの意見
池谷 奉文 社団法人日本ナショナル・トラスト協会副会長
牧野 光朗 飯田市市長


交流会 会場:大平宿 「下紙屋」

17:30 「いろりの里 生活原体験の場で集おう」
大平宿をのこす会のスタッフより、地酒「喜久水」とともに、山女の塩焼き、塩烏賊
と胡瓜の和え物、凍豆腐の煮物、具沢山の味噌汁、五平餅、林檎の砂糖煮など、
郷土の心づくしの品々が饗され、全国の仲間が交流を深めました。
その後、懐中電灯を頼りに各宿に戻り、寝袋にくるまり眠りにつきました。

大会 第2日  10月9日 日曜日

10月9日(日)午前5時50分。
白々と夜が明け、霧に包まれた
大平宿がその姿を現しました。
6:00 第1便・現地出発
市内モーニングウォーク参加希望者は早朝のバスを利用しました。
7:00 市内モーニングウォーク「市長と歩こう」
楽しみながら歩けば風の色が見えてくる。景色の音が聞こえてくる。
このモーニングウォークは毎月第2日曜日の朝に飯田市が主催しているもので、
19回目となりました。今回はナショナル・トラスト全国大会に合わせ、
1.柳田国男をめぐる旅
2.ところどころに残る飯田城址を訪ねる旅
3.飯田の店に出会う旅
以上の3コースが設定されました。一行はりんご並木 通り町 三連蔵前に集合し、
地元の市民の方と合流し希望のコースに分かれ散策しました。
8:30 第2便・現地出発
市内モーニングウォークに参加しない方達は、大平宿でかまどで炊いたご飯とお味噌汁
を食し、バスで公民館の会場へ向かいました。


国際シンポジウム 会場:飯田市公民館ホール

9:30 「持続可能な地域、支援する仕組みとは」
コーディネーター 堂本 泰章 財団法人 埼玉県生態系保護協会事務局長
パネリスト 玉井 済夫 財団法人 天神崎の自然を大切にする会専務理事
漆畑 信昭 財団法人 柿田川みどりのトラスト会長
小笠原 宏 財団法人 妻籠を愛する会会長
オブザーバー ピーター・ニクソン 英国ナショナル・トラスト保全部長
事務局 松浦 重徳 社団法人 日本ナショナル・トラスト協会主任研究員

社団法人日本ナショナル・トラスト協会設立の際の使命であり、
これまでの全国大会でたびたび討議されてきた
ナショナル・トラスト法制度、税制度、
ナショナル・トラスト活動がしやすい仕組みづくり、
持続可能な地域、支援する仕組み
を討議し、長年のこの懸案を総括しました。
12:00 昼食休憩


記念講演

13:00 「わが伊那谷の今昔」 ジャーナリスト 本多勝一
1931年に信州・伊那谷で生まれの本多氏は、そのジャーナリストの視点から、
少年時代を過ごした伊那谷の今は失われた自然を語り、現状を憂いました。


閉会式

14:00 開催市を代表しての御礼 飯田市長 牧野 光朗
次期開催地からのお知らせ 特定非営利活動法人 岩美自然学校 理事長 澤 健一
閉会挨拶 社団法人日本ナショナル・トラスト協会副会長 池谷 奉文
14:20 終了


オプショナルツアー

15:00 出発
(1)城下町飯田歴史散策と和菓子探訪の旅
飯田は和菓子作りの伝統的な土地でもあります。飯田城址の歴史絵巻を追いながら
各店の自慢の和菓子にも舌鼓しました。
(2)南アルプス国立公園・遠山郷めぐり
遠山郷上村・南信濃村は映画「千と千尋の神隠し」の舞台にもなった神々の住む地で、
日本のチロルとも呼ばれる、たぐい稀な景観です。
早朝、霧が晴れ、目の前に南アルプスの3000メートル級の山々が姿を見せました。
また、急斜面の畑地を持つ集落を散策しました。
その後、温泉に入り、飯田市内に戻りました。
(3)妻籠宿を訪ねて
江戸時代の宿場町がそのままの街並み、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定
されている妻籠宿を訪ね、脇本陣、歴史資料館等を見学しました。