協会に来てくれた学校のページ

愛知県名古屋市立宝神中学校3年生 みなさんのページ

宝神中学校のみなさん

●訪問データ●

訪問日 平成14年6月4日(火)
人数 4人
学校の場所 愛知県名古屋市

●昔から引き継がれた豊かな環境●


ナショナル・トラスト運動は、一人ひとりが大切にしたい風景を守り、みんなで大切に使って未来につなげる活動です。
「皆さんの大切なもの、まちの自慢を教えてください」という質問に間髪を入れず「私たちの自慢は、何と言っても藤前干潟を中心にした美しい自然です。」持って来て見せてくれたのは夕日に光る水面の上で飛び交う野鳥のショットでした。↓
校舎
校舎

●訪問を受けて(ナショトラおじさんこと岩切より)


今年度6番目の訪問校は、市内を流れる庄内川・日光川の河口に広がる藤前干潟の東にある宝神中学校の頼もしい女性たち。最上級生としての自負と旅行3日目の余裕が短い挨拶から伝わる。「ここが社団法人日本ナショナルトラスト協会?」一目で見渡せるだけの小さなたたずまいに、皆さんは一様に戸惑った表情。無理もないよね。
一般企業と異なり、営利を目的としない事務所だから、人数も少なく大変静かなのだと納得。でもやっている中味はすごいよ。

早速用意してきた質問に答えながら、ナショナル・トラストの要点を分かってもらうことにする。イギリスの「ナショナル・トラスト法」の項目には?の鋭い質問。
「国はナショナル・トラストに経済的な援助をしない代わりにトラスト活動を支えるための特権を与えている」との協会副会長の木原啓吉先生に聞いた内容を話す。要はナショナル・トラスト活動がしやすい環境を、国が作ってくれていることだ。秘書の給与や△△ハウス問題で騒いでいるどこかの国とは大違いというわけ。
目をキラキラさせて聞いてくれたようだ。

わが協会は「イギリスのようなことが出来れば」の願いをこめて設立され、全国のあちらこちらで毎日のようにボランティア活動が行われていることなど、ガイドブックを見ながら説明する。ついでにボランティアをする条件として、
(1)人にやらされるものではなく、自分の意思で
(2)ボランティアをしたからといって見返り(褒美・賃金など)を求めないこと
(3)ボランティアをすることに喜びを感じること
「これが出来なかったらボランティアはするな」ちょっときつかったかな?

そしてボランティア活動を続けている人から聞いた「苦しかったこと嬉しかった体験」を話し、全国に散らばるナショナル・トラスト活動は、一人ひとりのボランティアに支えられていることを強調し、共感を得られた。

社団法人日本ナショナルトラスト協会のガイドブックの中から代表的な活動をピックアップして、どの地域でナショナル・トラスト活動が起きてもおかしくないほど、自然や景観の破壊が進行している世界の現状を訴える。特に京都議定書を中心に、将来の地球環境を守るための「温暖化問題」には全員じっと聞き入っていた。

最後に、ナショナル・トラスト活動を志す人間としての基本的資質は「挨拶がしっかり出来ることと家族を大切にする」と結んだ。
やや説教がましくなったが、皆の表情から分かってもらえたと思う。さらに
「家に帰って真っ先に出来ることは?」の質問には
「ポイ捨てをしない」
「ゴミをきっちり分別する」
「空き地に花を植える。」
など嬉しい答えが返ってきた。

これから東京駅に集まって、それぞれの家族が待ちわびている我が家へ帰るそうだ。
どんなおみやげ話に花が咲くのだろう。最後に訪ねた協会の話も出るのかな。心の片隅自然に対する新たな興味が芽生えていって欲しいと願いつつ、送り出した。