●昔から引き継がれた豊かな環境、でも徐々に
一戸から九戸まで、ちょっと変わった名前が連なる市町村名の2番目の町「二戸市」。海岸の美しさを誇る八戸市から南西へ車で約1時間。盛岡から八戸まで東北新幹線が開通し、二戸駅に停車するようになったため、一部に都市化の波が押し寄せ始めた。そんな豊かな環境の町から故郷の自然破壊を憂える中学生がやってきました。
●訪問を受けて(ナショトラおじさんこと 岩切正睦)
本年度初めて訪れた岩手県上斗米中学校の生徒さんたち。始めに自己紹介を兼ねて、訪問した動機を聞いた。「都会と地方の環境に対する違いが知りたい」「自分たちの誇りにしている故郷の自然をなくしたくない」「日常生活の中で自分たちに出来る活動は?」徐々に押し寄せる都市化に対する不安か?
「質問に対する回答」と言う形で社団法人日本ナショナル・トラスト協会発行のガイドブックをもとに社団法人日本ナショナルトラスト協会の役割を説明する。僅かな人員で全国の活動団体と連係し、実績を積み上げていることに一同納得の様子。「訪問の手引き」を参照しながら様々な分野で行われている活動の説明には驚きの表情。
ナショナル・トラスト活動の代表例として、昔の川を取り戻しつつある「柿田川みどりのトラスト」の説明をする。戦後間もなくの頃のドブ川(ゴミ捨て場)から十数年かけて見事に蘇らせた柿田川の清流。それまでの人びとの苦労と努力、これこそがナショナル・トラスト活動であり、どんなところでも通用する活動だと力説した。
ボランティア活動については、特別な活動と受け止めているようだったので、ボランティアの心得を強調した上で、家庭での仕事、学校での当番活動などを見直して欲しいと、問い掛けてみた。今後の学校生活を有意義に過ごすためにも、ぜひ実践してもらいたいと思う。
決められた時間も過ぎ、慌てて締めくくった。将来の日本の自然環境を守る一員となってくれることを念じつつお別れした。 |