●昔から引き継がれた豊かな環境
全国各地にある豊かな自然、貴重な歴史的建造物や遺跡。ナショナル・トラスト活動は、一人ひとりが大切にしたい環境を守り、後世に引き継いでいく活動だ。北国からの白鳥のように、毎年秋になると必ず訪れる下橋中学校の生徒さん。今年も校舎・近くの自然・遺跡の写真をお土産に。
●訪問を受けて(ナショトラおじさんの報告)
今回の訪問者は盛岡の下橋中学校の二年生。先輩からの伝達もあり、狭い部屋、少ない人数にも特別な反応はない。「ナショナル・トラストに興味があった」「ナショナル・トラストとは」「環境学習でナショナル・トラストに関心をもった」「トラスト募金で森が救えると聞いて」言葉は替わっても、はるばる社団法人日本ナショナルトラスト協会を訪問した気持ちは同じ。早々と嬉しさいっぱいになる。
さっそく質問に沿って話しを進める。社団法人日本ナショナルトラスト協会の仕事について概要を説明しながら、この仕事に携わっている人たち全てにとって、ナショナル・トラスト活動が多くの人々に理解されること、活動資金が豊富であることが願いである。だから、協力者が少しでも増え、思わぬ寄付金が寄せられたときなど、ささやかながら、この仕事をやってて良かったと感じることを話す。ナショトラおじさんの立場で言うなら、送ってあげたトラスト団体のパンフレットが「学習に役立った」と感謝されたり「将来ナショナル・トラスト活動をしたい」などの反応を聞くだけで、生き甲斐を感じてしまうのだ。
トラスト活動の為に用地の取得に関する税制問題が、協会の大きな取り組みになっている。これが本家イギリスなみになると、活動がもっともっとやりやすくなるよね。国際交流の仕事として、イギリスのナショナル・トラスト地での体験活動、日本のナショナル・トラスト地でのトラスト活動を体験する機会を設け、将来の指導者育成をかねた活動を続けている。
これまでにナショナル・トラスト活動によって取得または借上げた土地は11,833haで伊豆諸島にある三宅島の2ツ分(協会と関連のある団体分,訪問日現在)。日本全体からすればチョッピリだが、たくさんの人の努力の成果だね。地球の環境に関心がたかまり、一人ひとりが自分のこととして環境問題を受け止めてくれたら、取得するのに好都合だね。
「今の地球環境をどう思うか」「これからの日本はどう変わってほしいか」「中学生に出来ることは?」これらの質問をまとめて話し合いの話題に。さすが伝統校のみなさん。
「ゴミを捨てないなど、自分に出来る身近なこと(小さいこと)から」「川にポイ捨てなんて絶対しない(サケの遡上が中津川でも増えてきた)」「次の世代、環境が好転するように努力したい」「今の環境が最低ラインとなるよう、一人ひとりの責任で」「科学が追及する豊かさとは対極の自然の豊かさを自分たちの手で。」こんな気概をさらりと口にする中学生。
最後にナショナル・トラスト活動を支える人間の資質、ボランティア活動を実践する心構えについて「手引き」を見ながら話す。学校の清掃当番をボランティア活動と考えたら
日々の作業がどんな感じになるかなど。ちょっと説教じみたかな?
学校へ帰ったら、学習したことをまとめて、全校生徒の前で発表するのだそうだ。自分の将来に関わる発表の材料に役立ったかどうか。気持ちよい挨拶とともに、爽やかな空気を振りまいて次の目的地へ。 |