協会に来てくれた学校のページ

三重県 伊勢市立五十鈴中学校3年生 みなさんのページ

五十鈴中学校

●訪問データ●

訪問日 平成14年4月24日(水)
人数 5人
学校の場所 三重県伊勢市

●昔から引き継がれた豊かな環境●


ナショナル・トラスト運動は、一人ひとりが大切にしたい風景を守り、みんなで大切に使って未来につなげる活動です。
「皆さんの大切なもの、町の自慢を教えてください」という質問に、皆さんが答えてくれました。
「私たちの自慢はこれです」差し出した紙には、やっぱり「お伊勢様」、内宮と外宮それに近くを流れる宮川の写真。しかも解説まで加えた案内書顔負けのもの。さすがと言うしか言葉が浮かばない。
 多雨地帯の大台ケ原山系に降った雨は、
大杉谷渓谷、ダム湖を経て宮川へ流れます。

 源流から河口まで100kmある三重県で一番長い宮川は
建設省一級河川水質調査で日本一になったこともあります。

 源流となる大杉谷渓谷は、
原生林の中で数々の滝が水しぶきをあげる奥深い渓谷です。

 この一帯は吉野熊野国立公園に指定されており、
上流部では生活廃水に注意を払うなど、
宮川を守る努力がなされています。



●訪問を受けて(ナショトラおじさんこと岩切より)


今年も中学校の皆さんが協会を訪問してくれる時期を迎えた。この時期早くも3校目。進路指導の一環としての職場訪問とはいえ、ナショナルトラスト協会を選んでくれる学校が増えて、学校当局と来訪中学生の自然への関心の高まりが感じられ、頼もしい限り。

お伊勢さまのお膝元の所為か落ち着いた態度、中学生でもきちんとした挨拶、とても心地よい。
期待した職場とはかなりかけ離れた部屋の様子に戸惑い気味の顔、顔。何しろ営利を求める企業と異なり、静か過ぎる室内、戸棚に囲まれた変哲のない事務所のたたずまい。初めに用意されていた質問に答える形で話が進む。

日本のナショナルトラストの概要をガイドブックを参考にしながら説明する。ナショナル・トラスト活動は、「身近な自然環境や歴史的な建造物を自分達の力で保護・保全すること」だから、何処の団体にとっても現在の活動をするまでには大変な苦労があったこと、営利目的ではないから、活動する人々は全てボランティア、活動の時間も土・日とか祝日を利用する。だから一年中暇なしの状態。
そうまでして環境を守ろうと頑張っている。話にじっと聞き入る皆の表情。なにを感じたかな。

一転してナショナル・トラストの原点イギリスの話、関連して各国トラストの状況について。続けて、わが社団法人日本ナショナルトラスト協会の活動状況を話す。国際交流事業・全国大会・研究会などを通して地球環境の大事さを訴えていること企業からの寄付金を全国の活動団体に補助して、活動を援助していることなど、わかってもらえたと思う。

終わりに「環境保護のために何をするか」聞いてみた。「樹木を大事にする」「ゴミのぽいすてをしない」「無駄使いを止める」など現実的な言葉が返ってくる。伊勢神宮を中心にした門前町。
長い間多くの人々を迎え、人の輪を広げながら伝統を受け継いできた街。若い自然保護の芽が育って行くことを確信した。

さらに追い討ちをかけるように「社会生活の基本は家庭。挨拶も話し合いもしっかり出来ない人間にはボランティアもナショナル・トラスト活動も無理」と。少々から口だったが、頷く表情は納得のサイン?
同席していた社団法人日本ナショナルトラスト協会の役員サンの「しゃべりかたも態度も落ち着いていますね」の言葉がすべてを物語っていたようだ。