協会に来てくれた学校のページ

岩手県紫波郡紫波町立紫波第二中学校3年生のみなさんのページ

●訪問データ●

訪問日 平成15年9月12日(金)
人数 5人(1人欠席)
学校の場所 岩手県紫波郡紫波町

● 昔から引き継がれた豊かな環境


全国各地にある豊かな自然、貴重な歴史的建造物や遺跡。ナショナル・トラスト活動は、一人ひとりが大切にしたい環境を守り、未来につなげる活動です。
「皆さんの大切なもの、町の自慢は何」という質問に、答えてくれました。
「町の自慢は、周りに広がる自然です。早池峰山の遠望も素晴らしい」との答えが???
奥羽山脈と北上山地に挟まれた岩手県の中央部、盛岡のすぐ南に位置する町、紫波。美しい山々に挟まれた田園風景を想像する。

●訪問を受けて(ナショトラおじさんこと 岩切より)


訪問してくれた5人は、1年生のときから総合学習を通して環境に興味を持っていたそうだ。
だから質問内容も多岐にわたり、「訪問の手引き」に従ってすすめていくことにした。全員が農家の子弟なので、稲のできばえが気になって質問すると、「夏休みの終わりごろから天候が回復したので、だいぶ穂先が垂れてきたようです。数年前のような状態にはならないようです。」それを聞いて一安心。寒さに強い品種の栽培が待たれる。

「メダカの学校」というナショナル・トラスト団体の話をする。独特の栽培方法で病虫害に強い稲作を進め、結果として昔のような小さな生き物(メダカ・ドジョウ・タニシ・ヤゴ)が繁殖している。その手法を佐渡島の稲作に広めて、佐渡島をトキの楽園にしようという夢のような目的に向かっている活動。そんな話に目を輝かせて聞き入る5人。

社団法人日本ナショナル・トラスト協会の主な仕事を説明する中で、小さな部屋、少人数での活動を支えるボランティアの存在を強調。話しの序でにボランティア論になる。近所のゴミ拾い、空き缶集めなど立派なボランティア。学校の当番活動だってある種のボランティア。だからボランティアには資格もないし、年齢制限もない。大切なことはボランティアの心がまえ。人に強制されるものではないこと、自発活動であること、見返り(金銭の報酬や感謝)を期待しないことが大切。「いつでも どこでも 誰でもボランティア」この心がまえさえあれば世の中もっと愉しくなるね。

ナショナル・トラスト活動こそボランティアの原型だ。土・日と休日そして平日の夜間が、活動できる時間。しかも二・三年先などではなく、何十年いや何百年先に実現するかどうか分からないような気の遠くなるような仕事に取り組んでいる。「歴史的建造物や身近な美しい自然を後世に残したい」ただそれだけの為に自分の生活を犠牲にしての活動だ。

話は富士山や柿田川のトラストを例にしながら進む。とにかく、人事でなく、今こそ自然環境について、全ての日本人、地球に住む全人類が真剣に考えるときだと説く。

最後に家族を大事にすること、挨拶がしっかり出来ること、考えをはっきり言えることなど人間としての資質がボランティア活動に不可欠だと締めくくった。真剣な眼差しから全員理解してくれたと思う。限られた時間、「もっといろいろ話したかったなあ」そんな爽やかさを感じさせながら、次の目的地へ。

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